fuminaru 氏:
≪作家の柚木麻子さんが以前SNSに書いていてすごく同意したのは、映画『それでもボクはやってない』が2006年時点で作られたのは、痴漢被害より痴漢冤罪被害を際立たせた点で相当罪深かった、という話。
痴漢冤罪被害が存在するとしても、それをはるかに上回る無数の痴漢被害が存在しているわけで、まずは痴漢加害者が捕まってちゃんと有罪になる物語や、痴漢自体が大きく問題視される物語、果ては加害者が性器を切り取られたり残酷に拷問されたりするような物語まで多種多様に量産されて、痴漢件数の多さが知られるのはもちろん、「痴漢は性犯罪であって許されない」「加害者はとんでもない眼に遭う」みたいなメッセージが日本中に染み渡り、認識される土壌作りが必要だと思う。そのあとで『それでもボクはやってない』が作られて、やっとフェアな議論ができるようになる。
2017年にMeToo運動が広まってやっと(主に女性への)性犯罪が問題視されるようになったけれど、同作が2006年に作られたことを考えると、かなり遅い。ここにも男性が優先され、女性が後回しになる構図がある。≫